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2025年1月10日(金)

「う。カワイイ」オーナーのセンスに響いた、障がいのある方々の手仕事を全国から集めた雑貨店『グジェゴジェ9』誕生のストーリー!

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小田急片瀬江ノ島線 本鵠沼駅近くの踏切のそば、木々に包まれた隠れ家のような不思議な建物。
ここは何?アーティストのアトリエ…?
一歩入るとそこはお茶目なオーナーの唯一無二のセンスと、真似のできない線・色・カタチでいっぱいの素敵空間!


☆ プロフィール

えみ さん
特別支援学校教員を経て、地元湘南鵠沼に、障がいのある方々の作品を販売する雑貨店『グジェゴジェ9』を開く
☆えみさん恥ずかしがり屋さんのため、お写真はお顔上半分でお送りいたします笑

☆お店を開こうとしたきっかけは?

教員をしていた時は、生徒の成長が本当に日々楽しく、仕事を辞める気は全くなかったんですが、漠然と『急に死んだ時、あーあ…と思いながらでなく、自分のためにやりたいことをやって、まあいっか!と思って死にたい』と思ってたんですね。

今のお店を開こうと思ったきっかけは、生徒が、ある時太筆でただ横に線を『しゅっ』て描いただけなのに、それがすごく素敵だったんです!

そこで販売ではなく、ただこういう素晴らしい作品を飾るギャラリーをやりたいと思ったんですけど、そんな作品たちを一体どこから集めれはいいのか分からなくて、無理だなぁ。
でもやりたいなぁと常々考えてました。

そんな中、就労支援をしている事業所に生徒と一緒に実習に行く中で、そこで作られた素敵な手仕事の製品が、限られた人だけにとどまっているのを見て、こういうものを魅力的にディスプレイして、誰もが親しみやすく手に取って買ってもらえる場所を作ろうと思ったんです。

  お庭にもディスプレイされた品々。『よくフリマと間違われるんです笑』

☆大変だったことは?


最初はやっぱり商品が全然集められなかったことですね。
まずはネットでいろんな事業所を調べるところから始めました。

事業所のHPや、いろんなイベントのサイトに小っっさく写っている商品から検索したり。
ご縁が広がって、繋がりのある事業所仲間を紹介いただくこともありますし、遠くから来たお客様がネットに載ってない事業所で、素敵なもの作ってるところを教えてくださったりして本当にありがたいです。

おかげさまで、今ではお取引先は全国で90箇所以上になりました。
事業所さんには多大なご面倒をおかけして作品を色々ご紹介いただくんですが、その中でやはりこの店の雰囲気、路線に沿ったものを選ばせていただいているので、そこは本当に難しいところです。
とはいえついついたくさん仕入れてしまい、在庫で家がえらいことに!笑

同じような商品を集められているお店ってたくさんあるんですが、自分のお店では『他のお店が仕入れているものは置かない』というマイルールがあって、仕入れたいと思うものをどこよりも早く見つけなきゃなのでそこも大変。笑

☆商品を選ぶ基準は?


『好き!』と強く思ったかどうかです。
仕入れを重ねるにつれ『これは売れるな』っていうのがだんだんわかってくるようになるんですが、それを基準にすると『つまらない』。

クセ強でどうかなぁと思ってても、好きだから置く。
そこはぶれず、『まあいっか!そんなにめちゃくちゃ売れなくても。何となく生きていけるし』って。笑

45歳で教職を辞めた時は人生短いしと思ってたけど、このままこの自由な感じで長生きしちゃったらどうしよう笑

☆グジェゴジェ9という店名は?

仕事でヘトヘトで帰って夜遅く、天ぷら(塩派)とビール片手に好きなNHKの旅番組(その時はポーランド編)を観てたら、お爺ちゃんが出てきて『私の名前は、ヘンリック=グジェゴジェフスキーです!!』って自己紹介されてて。愉快な濁音と拗音の名前に疲れも吹っ飛んでしまったんです。

それで、店名を考える時に、あの時の何だかウハウハ面白い、いいもの見つけちゃった!って感動をお客様に感じて欲しいとお名前をいただいたんです。それに好きな数字の9をつけました。

☆お店の佇まいが非常に気になります


骨董好きの叔母の影響で、子供の頃から古道具が好きだったんです。
幼稚園の時から骨董屋に連れられていたので、自然と馴染んでましたね。
好きが昂じて解体現場でいいなぁと思った窓などをいただきに行ったりして。

美しい窓や、3枚目は缶切りの刃を作った後の鉄型。

他にも和菓子の型など数多く絶妙なバランスで配置されている

職人さんにお手間かけちゃうから「明日お弁当持ってくるので引き換えにそれください!」って笑
この店はひとつひとつそうやって集められたものを組み込んでできたものなんです。
(店内を宝さがしのように巡ると、至る所にえみさんコレクションが!ひとつ一つのエピソードを聞くだけでも楽しい!)

最初ギャラリーをやりたいと思った時、まずは建物を建てようと。
ここは何もない庭だったんですが、そこに母屋を建てる前に、頭の中にあるイメージをどれだけ具現化できるか実験してみようと、まず庭に小屋を作ってもらいました。名付けて『小屋1号』(このネーミングセンス!)。

えみさんの手で新しい空間が次々と生まれる

庭石の配置を変えたり材木を切ったり。ガテンなえみさん

美味しいおやつご馳走様でした!

取材後友人へのプレゼント購入。

味わいのあるオリジナルの点字ラッピングバックに包んでいただきました。

細部まで心が込められている。


☆これからやっていきたいことはありますか?

2025年の2月で丸9年です。これまでも色んなイベントを企画してきましたが、
もっと色んな事業所さんを紹介していきたいです。
なのでゆくゆくは事業所さん主体でもイベントを行えるよう、2階を貸しスペースとしても整備していきたいです。

庭でも様々なイベントが行われる(@funchy_chigasaki さん提供)


撮影中にも次々にお客様が来店し、木々を抜ける風に乗ってえみさんとケラケラ笑いあう声が聞こえる。
こちらも何だかつられてしまう。そんな力がふっと抜ける本当に心地いい空間です。
えみさんと愛すべき手仕事達にぜひ会いに来て下さい!

インスタではお店の情報とともに、えみさんのほのぼのとしながらクスッと笑えるスパイスの効いた日常が綴られており、こちらも病みつきになります!
フォローしてみて下さいね。@gujegoje9

☆インタビューを終えて


以前、物撮りのロケーションとしてこちらをお借りしてからのお店の大ファンである筆者。
ずっとオーナーであるえみさんのお話が聞きたかったんです!

お話を聞き終えてまず思ったのは『全然足りない!』こちらに紹介したエピソードはきっとほんの一部。
えみさんが、一つ一つ心を寄せて集めた手仕事たちの魅力もまだまだ伝えきれていないので、ぜひご自分で実感しに来て下さい。

お店の奥でニコニコ手を振って迎えてくれますよ!
えみさんの頭の中にあった世界。これからも想像力と興味の赴くまま、彼女の手によってどんどん形を変え、広がっていくことでしょう。

写真と文 強田美央

この記事を書いた人
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    強田 美央(gouda mio)

    大阪出身 湘南鵠沼在住フォトグラファー。

    大切な家族と大好きなこの土地で、末永く、楽しく暮らしていくための種蒔き中。
    地元の皆さんともっと知り合いたい!
    撮ることで繋がっていけたら嬉しいです。 

    HP:https://miogouda.my.canva.site/
    チームでも活動中。
    https://fukakusupic.com/
    イベントコラボもお気軽に!

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